突発性難聴とは、健康で耳の病気にかかったことがない人がある日突然、何の前触れもなく耳が聞こえなくなる病気です。突発性難聴の症状は耳が聞こえなくなるほかに、耳鳴りや耳詰まり、めまいや吐き気の症状がでることがあります。
突発性難聴の患者は1993年の調査では推定24000人でしたが、高齢化が進むにつれ患者数は増加し、2000年に入ると35000人になりました。突発性難聴にかかる人は一般的に50~60歳代の人に多く、男女の差や飲酒喫煙暦などは関係していません。
突発性難聴の原因は解明されていませんが、ウイルスが耳の神経細胞を破壊する「ウイルス感染説」と内耳の血液循環が悪くなり、急激に機能低下におちいる「血液循環障害説」があります。また、突発性難聴には明確な予防法もありません。
突発性難聴は治療後すぐに難聴が改善され、副作用の耳鳴りやめまいもおさまる場合と、治療後徐々に回復する場合があります。一般的には突発性難聴と診断後、一ヶ月以内に回復の兆しが見えない場合には難聴の回復は難しいとされています。突発性難聴は治療を引き伸ばしていると病状がそのまま固定してしまい、どのような治療を受けても回復しない場合があるので、日常生活において聞こえ方が悪いと感じる時には、早急に耳鼻科での受診が必要です。